群竜伝

本宮ひろ志

あらすじ

 プロ野球界に冷たくされ、追い出された選手達は、自分の子供達に怨念を込めるために、子供が生まれる寸前にガソリンを浴びて 自ら命を絶つ。その子供達は背中に竜の入れ墨を彫られ、九人揃うと一匹の巨大な竜になるという。

 背中に竜の入れ墨を持つ白井は、荒くれ者揃いの岩鉄高校野球部に入部する。背中に竜の入れ墨を持つ9人の仲間を見つけるために甲子園を目指すが・・・・。

 

 宿命を背負った九人が集まり野球をするという物語で、アストロ球団と同じ設定のマンガを少年ジャンプ出身の本宮氏が少年マガジンで連載するというのが面白い。アストロとは一味違ったとんでもマンガに仕上がっていて、私(管理人)が好きなマンガである。
 序盤は当時の流行の学園紛争物で、中盤から仲間探しという風になるわけだが、野球をやるシーンはほとんどないのがこの野球マンガの特徴だ。
もっと話を膨らませて面白くできそうな感があるが、仲間が揃うあたりから作者も面倒になったのか、トーンダウン。終盤で白井が活躍しないなど不満を強く残る結果になってしまった。
考えると仲間が揃うあたりで話がつまらなくなるのは必然とも言える。それは、竜の入れ墨を持つ者のライバルがいないことであろう。(入れ墨を持つ者同士で争うのもいずれ仲間になることを考えると長くはひっぱれない)
竜の入れ墨を持った人間が凄すぎて相手がいないのだ。アストロのように超人といいつつ、実は一般人と互角いう展開は、主人公は徹底的に凄いという本宮美学からすれば外れているわけで、いきなりプロ野球オールスターを総なめで終わるのは、いた仕方ないと言ったところであろうか。

 

 

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