マットの旋風

峰岸 とおる
(アイディア協力 古沢一誠)

あらすじ

昭和20年代のプロレス創世記に二人のスターがいた。一人は柔道出身の伊舎道和馬(いしゃどうかずま)といい、もう一人は、空手出身の今久留須信玄(いまくるすしんげん)であった。
伊舎道はショープロレスを標榜し、今久留は強さのみを磨いていた。考え方の違う二人が合うはずもなく、決戦の時を迎えたが、今久留は試合前に薬を盛られ試合で負けてしまう。
そして、月日は流れ、プロレス会は伊舎道の天下を迎えていた。そこに今久留の弟子、柳兵介が伊舎道率いる帝国プロレスを潰すべく戦いを挑むのであった。

 

はっきり言って、かなりつまらないマンガ。梶原作品や男組あたりを真似た部分が随所で見受けられる。主人公の魅力がゼロというのも痛い。この柳というのは単なる無法者で、全然共感を覚えないのだ。さらに、良く読むと(良く読む必要なんて全くないマンガだが)話もどこか変だ。
そもそも、このマンガはプロレスをバカにしている印象を受ける。というのも、主人公の師匠は、プロレスのリングで自分の武術が強いというのを証明したかったらしく、プロレスのリングで異種格闘技戦をしてただけで、(プロレスではなく空手の強さを証明したいだけ)主人公にしても、師の復讐という名目で自分の売名行為をしているだけ。
ショープロレスが嫌いなのは理解できるが、ショープロレスのレスラーに勝負を挑むのは理解不能。弱い相手にケンカ売って楽しいのだろうか?それに、帝国プロレスのリングでわざわざ戦う必要もないし、ショープロレス団体が真剣勝負する理由もない。
こういうダメ格闘マンガを読むと梶原一騎がいかに偉大かが良くわかるというもの。
大体、”いしゃどう”とか”いまくるす”って名前のセンスもねぇ。
それにしても、アイデア協力の古沢一誠ってだれ?
第三巻の巻末に古沢一誠原作の「ぶっちぎり!!MX」という読みきりがあるが、これもかなりきてる。意味不明のオチがついていて凄い作品なので一読の価値あり。(なのか?)


左が伊舎道和馬の息子、真吾。右が柳兵介。


必殺技”ハリケーンスラッシュ”

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