長男の時代
作・小池一夫 画・川崎のぼる
-長男は夢を見ないのだ!-
あらすじ |
家族を養うために殺し屋になった久能隼人は、特Aと呼ばれるほどの凄腕だった。 そんな隼人の腕に目をつけた殺し屋組織”雨の腕”(レインアーム)は、隼人を仲間に引き入れようとするが、隼人に拒否される。 隼人は組織入りを拒否したことで刺客を送られ、愛人と叔母を殺されてしまう。 まともに戦っては勝ち目が無いと悟った隼人は、内部から崩壊させるため、自ら組織に入るのであった。 組織の秘密を突き止めた隼人は、ついに勝負に出る! |
評 |
絆と愛がテーマの小池ワールド全開の作品で、ようするに”いつもの”だが、氏の人気作に比べても特に見劣りはしない佳作。 第一話の「回転式六連発弾倉振出引鉄連動手製拳銃」に出てくる拳銃を作る場面が当時一部で話題になった。 佳作ではあると思うが、この作品が氏のフリーマン等他の作品に比べて弱い部分があるのも事実。 なにせ、長男、長男とやたら言うにも関わらず、本来の家族が一切出てこないのだ。養われる家族が出てこないのに、長男はツライ的な事言われてもなぁ。 とはいえ、川崎のぼるの絵も悪くないし、小池流のどこか変な理屈も満載なのでファンには見逃せない作品であることだけはたしかだ。 |
キャラ紹介
主人公の”特A”こと久能隼人
自殺した父親に代わり、母や弟、妹を養うために殺し屋になった。
が、その家族は一度も登場していない。
久能に想いをよせるオカマのタキ。
ちなみに、なんでオカマになったかというと、
レディースのリーダーにラブレターをもらったが、
そのラブレターを友達に見せて笑いものにしたためにナニを切られ竿なしになったから。
美容院やバーのママを仮の姿とし、
実際は、隼人が依頼を受ける際の連絡係。
大天才であり隼人の実の叔母で愛人。(隼人は家族としか寝ない)
ちなみに、美容院とバーの名前は「苦悩」。苗字が久能だから苦悩・・・。
隼人の母の妹ということで、苗字は久能ではないと思われるが。
小池センセーのダジャレは相変わらず。
名場面
実の父の殺しを依頼した女優だが、
久能がいきなり標的を依頼人の自宅に連れてきたとこ。
そら、驚くわな。
このシーンは凄いバカなんでめちゃくちゃ好き。
拳銃の弾丸を軽いステップでよけてこそ一流の殺し屋なのだ!
終盤の隼人。とうとうゴルゴ13になってしまった・・・。
それとも、サッグのカリフか?