野獣の弟
(原作:梶原一騎 画:石井いさみ)

”あいつには骨がある。野獣の匂いがする”
天才的カンを持つ海童に目をつけたミスター・ジャイアンツ長島の秘密計画は実行に移された!!

あらすじ

昭和45年2月上旬の宮崎キャンプ出発前の多摩川グラウンドで長島茂雄の打撃練習中に何故かはいはいした赤ちゃんがグラウンドに出現する。
長島の打った打球は赤ちゃんめがけて飛んでいき、あわや!という瞬間に一人の少年が打球をキャッチし事無きをえる。
少年は事故にならなかったお礼に巨人の投手陣との勝負を申し込むがプロの投球に手も足も出なかった。
そして、ショックを受け帰る途中に長島に呼びとめられ、長島から秘密計画を打ち明けられた。
その計画とは、自分が選手として衰えてきたので自身の後継者を作ることであった。そして、その後継者に白羽の矢が立てられたのがその少年、「海童猛巳」である。
翌日から特訓が長島の家の地下室で始まるが、その特訓とは狭い部屋の壁にある8箇所から飛んでくるボールを素手で取るというもので、最終的に後から飛んでくるボールを目で見ないで心眼で取るというものである。
そして、ついに心眼でボールを取る事にし成功した海童はアメリカ行きの切符を渡される。
アメリカでの特訓をへて、ついに海童はサンフランシスコ・ジャイアンツでメジャー・デビューするのである。
そして、長島から帰国命令が降り・・・。

 

長島を扱った作品では「ロボット長島」がカルト作品で有名だが、この作品もそれに負けずトンデモな作品になっている。
はっきり言って、お世辞にもレベルが高いとはいえない。
石井いさみもまだ画力が低かったせいか、野球のシーンはドアップばかりだし、文章を多用という手抜きも目立ち、メジャーでの試合では、それまでの劇画調からおちゃらけた絵を多用する始末。

アメリカ時代や巨人に入団してからも普通のスポ根マンガのようにライバルが登場するわけだが、キャラが弱くすぐにどうでも良い存在になってしまっている

それに良くわからないのがメジャー・デビューしたあとに長島が巨人に入団させようとするのだが、川上監督はテスト生入団が妥当と言い、新聞も無名のルーキーと書きたてている。
メジャー・デビューした人間が無名なのかぁ?この時代ではメジャーのニュースは日本には伝わっていないようである。
パンチョ伊東がこの時代にいればと惜しまれる。 (すでにいたけど)

 


これが長島。
似てないがあごに髭剃りの後があればそれで長島なのだ!


唐突に出現した幼児にボールが!この子の親は何処に?


セリフの最後の「ウフハァウハッ」とは一体・・・?
ヤキソバのCMであった「自分でバンバンしなさい」か?